公認会計士制度の新世紀に向けて。
充実した品質管理制度をはじめとした数々の制度が、財務諸表に対する国際的な信頼を支えます。
事業者等の指摘セクターだけでなく、国や地方自治体等の公的セクターに対する監査への気体が広がり、公認会計士の社会的責任もますます重要になっています。
公認会計士がこうした社会的信頼にこたえるためには、専門的な能力はもちろん、独立性、公正性、守秘義務など高度なプロフェッショナリズムが求められ、さらに社会・経済の刻々とした変化に適切に対応し、常にその能力の自己研鑽に努めることが求められます。
従来からも「公認会計士試験制度」により厳格な国家試験に合格し公認会計士として登録した後、日本公認会計士協会では、公認会計士の専門的能力の維持・向上を図る「継続的専門研修制度」や監査の実施状況を第三者の目でレビューする監査の「品質管理レビュー制度」を導入し、さらに、公認会計士の独立性の遵守などを歌った「倫理規則」制定し、公認会計士のプロフェッショナリズムを高め、保持することに努めてきました。
これらの施策に加えて、平成15年6月に成立した公認会計士法の大改正により、次のとおり独立性の強化が行われ、さらなる信頼性の確保が図られることになりました。
独立性の強化
監査結果である監査報告書が広く信頼されるためには監査を行う監査人は、監査を受ける会社から独立した立場になければなりません。この独立性をいっそう強固にするため、改正公認会計士法は次のような制度を設けています。
1.大会社等の監査を対象とした非監査証明義務(記帳代行業務等)の同時提供の禁止
監査人自らが行った業務を対象として監査を行うという自己監査や、経営判断に関与するおそれのある監査以外の業務から報酬を得ることにより不公正な監査が行われる危険を排除するため、非監査証明業務の同時提供を禁止する。
2.大会社等の監査を対象とした長期間継続監査の禁止(ローテーション制)
大会社等の監査を行う監査責任者である公認会計士は、7会計期間を持ってその担当を交代することが義務付けられる。
3.公認会計士の就職制限
公認会計士が監査人を辞任した後に、監査を実施した会社等の役員等へ就任することを監査を担当した会計期間の翌会計期間が終了するまで禁止する。